ブログ: わかりやすい英文を書く
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(2020/4/4)
40年以上前、朱牟田夏雄氏の「英文をいかに読むか」という本が高校の英語の教材で使われたのだが、この本に出てくる英文のわかりにくさが尋常ではなく、おかげで英語がとことん嫌いになってしまった。この本にはひどく恨みを持っており、古い本棚でみつけたとき勢いよく捨ててしまった。
ところが最近(2019/8)この本が復刊されたと聞いて驚いた。難解と思った英文でも今なら楽々読めるようになってるかと思って本屋で見てみたところ、やっぱり超難解で読めたものではなかった。自分に進歩が無いことに絶望したのだが、翻訳家の柴田耕太郎という人が「誤訳に学ぶ英文法 」という記事でこの本をとりあげている(2009/9 2009/10)ことを発見した。朱牟田氏の訳は相当間違っているのだそうである。
訳がどう間違っているのかは前記資料に書いてあるのだが、そもそも元の文がわかりにくいのが一番問題だろう。
たとえば以下の文はGoogle翻訳が失敗する。
I injured some, but since I could not repair the injuries I had done I have tried to make amends by benefiting others.
⇒ 負傷者もいましたが、負傷を修復できなかったため、他の人に利益をもたらすことで補償しようとしました。
しかし少し変えると直る。
I injured some people, but since I could not repair the injuries I had done I have tried to make amends by benefiting others.
⇒ 私は何人かの人々を負傷させましたが、私がやった負傷を修復することができなかったので、私は他の人に利益をもたらすことによって補償しようとしました。
モームの以下の文も長すぎるのでGoogle翻訳が失敗する。
It is because the financial rewards of authorship are so small that there is so much eagerness, so much scheming to win the prizes that are every year awarded to certain books, or to enter into one or other of the academies which not only set an honourable seal on a career but increase an author's market value.
⇒ それは、著者の金銭的報酬が非常に少ないため、毎年特定の本に授与される賞を獲得するか、名誉あるだけでなくアカデミーのいずれかに入るための非常に多くの熱意、非常に陰謀があるからです キャリアを封印するが、著者の市場価値を高める。
少し書き換えたらわかりやすくなる。
Since financial rewards to authorship are so small, authors have eagerness and scheming to win awards given to certain books every year. Also, authors try to enter an academy that can set an honourable seal on their career and increase their market value.
⇒ 著者への経済的報酬は非常に少ないため、著者は毎年、特定の本に与えられる賞を受賞する意欲と陰謀を持っています。 また、著者は自分のキャリアに名誉ある印を付けることができ、市場価値を高めることができるアカデミーに入ろうとしています。
Google様が翻訳できないような文は書いてはいけないと思う。ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術を見ると、説得力がありわかりやすい英文を書く方法が沢山書いてあり勉強になる。長いセンテンスは書いてはいけない。100年も前の難解な英文を読む努力など無用だと思うのであった。