メキシコ人の作曲家
(2020/3/8)
私は1989年から1991年にかけてカーネギーメロン大学の訪問研究員だったのだが、クラリネット奏者である家内がそのとき研究生として音楽学部の大学院に参加していた。音楽学部にはメキシコからの留学生が沢山いたので家内との交流が深く、自宅に呼んだり呼ばれたりして面白かった。ピッツバーグ交響楽団にラテンアメリカ系のコンサートマスターがいたこともあり、カーネギーメロン大学にはラテンアメリカ方面の優秀な演奏者や作曲家や学生が沢山いたようである。
その中のひとりにアルマンド(Armando Luna Ponce)という人物がいた。天心爛漫というかかなり変人ぽかったのだが、その後すごく頭角をあらわし、メキシコの現代音楽作曲家の第一人者みたいになっていたのを知って驚いた。人は見かけによらないものだと思ったものである。
ところがそういう噂を聞いた後、彼が突然亡くなったという話を聞いてさらに驚いた。アルマンドはメキシコのチワワの出身だったのだが、現在チワワでは彼の名を冠したコンクールだかコンサートだかも開催されているらしい。
メキシコ人留学生のひとりにエベルト(Hebert_Vázquez)という人物がいたのだが、エベルトも現在一流の現代音楽作曲家として活躍している。ノマドという日本のグループと一緒に活動をしているのでちょくちょく日本に来ており、先日は家内と一緒に旧交を暖めてきた。エベルトもアルマンドも、たまたま家内が大学で一緒になっただけのように思っていたのだが、実は超優秀な人々であって活躍しているのが凄いと思ったのであった。
エベルトやアルマンドを自宅に呼んでパーティーしたときはヤマハのDX7というシンセサイザを用意したのだが、アルマンドはDX7のFM音源アルゴリズムをスライダでバシバシ変化させていろんな音を出して楽しんでいた。FM音源というものは、普通はアルゴリズムを決めてからパラメタを調整していろんな音色を作るものだが、そういう常識を無視した操作をするので「コイツ何すんねん!」と思ったものである。そういうのが天才だったのだろうか。
#ブログ 2020/3/8