タグとページの区別
(2019/9/10)
タグを使って情報を整理しようとする場合、情報本体とタグは別に扱おうと考えるのが普通だと思うが、Scrapboxではあえてそういう区別を無くしている。その方が単純になるし、情報の扱いが柔軟になる。「秋葉原」というのは地名を示すタグなのか駅名を示すタグなのか電気街的なものを示すタグなのか考えると大変だが、Scrapboxだと単純に秋葉原というページを作れば具体的な情報を書くこともできるしタグ的に使うこともできる。それで大丈夫なのか心配になるかもしれないが、1万ページを超える大規模なScrapboxプロジェクトにおいてもタグが存在しないことによる問題は発生していないし、「タグは無いの?」という質問や要望をユーザから貰ったこともない。
Wikipediaには「カテゴリ」を表現するページがあって一般ページとは異なる扱いになっている。たとえば夏目漱石は一般ページであるが、日本の小説家というカテゴリページに分類されている。一方、同じ情報をScrapboxで表現する場合は夏目漱石というページに日本の小説家というページへのリンクを記述するだけでよく、両ページの扱いを区別する必要は無い。
Scrapboxではタグという概念を無くすことによってデザインがすっきりしたわけだが、何かを減らしてすっきりしたシステムというものは多くない。初代iMacはフロッピードライブを廃したことが話題になったものだが、そういう例は少ない。リモコンのボタンは決して減らない。
タグとページの区別が無いというScrapboxの仕様は個人的には大変気に入っているのだが、良い仕様だねと他人に評価してもらえたことが無い。何かを減らしても評価されないものだし、あたりまえインタフェースに見えてしまうからかもしれない。あたりまえに見える発明は本当は大発明なのだけど。
#ブログ 2019/9/10